「あ!あの…!あなたの名前は?」
やばい、やばい。見惚れてる場合じゃないよ!
同じクラスで、しかも隣の席なのに、名前も知らないってどうなのあたし!?
「あー、俺?山田 太郎(やまだ たろう)」
「へー、珍しいなま………えぇっ!!?」
なにその記入例みたいな名前!?
思わず山田くん(仮)を二度見してしまった。
「…ぶはっ!!」
あっ、また吹き出した!!
山田くん(仮)は、なにが面白かったのかお腹を抱えて笑ってる。
「はーぁ、あんたマジ面白い。…來だよ」
「へ…?あ、山田來くん?」
太郎ってやっぱり嘘だったんだ、と一人納得して首を傾げる。
「ふは、山田太郎なんて信じんなよ。山田も嘘…俺の本名は松下 來(まつした らい)。よろしくね奈津美チャン」
そう言ってにっこりと笑う松下くんは、ちょっとだけ危険な匂いがした。
少し経つと、クラスメイトが数人登校してきた。この時期は同じ中学校の子達で固まる事が多いらしい。クラスにはまだ2、3人の少人数グループしかない。
「あれ…來じゃん、今日は早いな」
サラサラの黒髪に切れ長な目。気怠げな顔をした背の高い男子が、松下くんに話しかけた。
「おー、もう行くけどな」
松下くんはそう言って立ち上がる。
「ふーん。別にいいけど…進級出来るくらいには出席しとけよ」
松下くんに話しかけた男子は興味が無さそうにそう言うと、「じゃーな」と言って自分の席へ戻っていった。
仲良し…なのかな?どっちも美形だなぁ。
それにしても、あんなかっこいい人が居たなんて…昨日は全然気づかなかったな。
結局、松下くんは放課後になっても教室には来なかった。
1日中隣の席に人がいないのは変な感じ。
何だか不良みたいだし、関わらない方が良さそうだ。
やばい、やばい。見惚れてる場合じゃないよ!
同じクラスで、しかも隣の席なのに、名前も知らないってどうなのあたし!?
「あー、俺?山田 太郎(やまだ たろう)」
「へー、珍しいなま………えぇっ!!?」
なにその記入例みたいな名前!?
思わず山田くん(仮)を二度見してしまった。
「…ぶはっ!!」
あっ、また吹き出した!!
山田くん(仮)は、なにが面白かったのかお腹を抱えて笑ってる。
「はーぁ、あんたマジ面白い。…來だよ」
「へ…?あ、山田來くん?」
太郎ってやっぱり嘘だったんだ、と一人納得して首を傾げる。
「ふは、山田太郎なんて信じんなよ。山田も嘘…俺の本名は松下 來(まつした らい)。よろしくね奈津美チャン」
そう言ってにっこりと笑う松下くんは、ちょっとだけ危険な匂いがした。
少し経つと、クラスメイトが数人登校してきた。この時期は同じ中学校の子達で固まる事が多いらしい。クラスにはまだ2、3人の少人数グループしかない。
「あれ…來じゃん、今日は早いな」
サラサラの黒髪に切れ長な目。気怠げな顔をした背の高い男子が、松下くんに話しかけた。
「おー、もう行くけどな」
松下くんはそう言って立ち上がる。
「ふーん。別にいいけど…進級出来るくらいには出席しとけよ」
松下くんに話しかけた男子は興味が無さそうにそう言うと、「じゃーな」と言って自分の席へ戻っていった。
仲良し…なのかな?どっちも美形だなぁ。
それにしても、あんなかっこいい人が居たなんて…昨日は全然気づかなかったな。
結局、松下くんは放課後になっても教室には来なかった。
1日中隣の席に人がいないのは変な感じ。
何だか不良みたいだし、関わらない方が良さそうだ。
