キケンな彼氏




____「…んっ…」





あれ…あたし、いつの間に…?





「…寝ちゃった」



ボーっとする頭を上げて周りを見る。



教室には誰もいないみたいだ。



「あー…よく寝た、気がする」



伸びをしながら呟く。





「おはよー奈津美。ぐっすりだったな」




「…っ!?」



突然、隣から聞こえた声に肩を揺らす。



慌てて隣を見れば、優しく微笑みながら此方を見る松下くんの姿があった。



「び…っくりしたぁ…驚かさないでよ松下くん…!」



心臓を押さえながら松下くんを軽く睨む。




「俺はずっとここにいたけど?」



くっ、確かに教室で寝てたあたしが悪い…言い返せない…!



「…なぁ、來って呼べよ」



…それ、朝も言ってませんでした?



何でだろう、苗字で呼ばれるの嫌なのかな…いや、でもあたし聞いてたんだから!



「え…嫌だけど」



「は?何で?」



「名前で呼ばれるの嫌なんでしょ?」



そう、松下くんは朝、「來くんって呼んでいい?」という顔を真っ赤に染めた女子の台詞に、「無理」って返していたのだ。




「奈津美ならいい。だから呼べ」




「そんな滅茶苦茶な…」





「呼ばないなら、さっき撮ったお前の寝顔を__」




「呼びます!!呼ばせていただきます!!!」




何撮ってんの!?なんの需要が!?あたしよだれ垂らしてなかったかな!?




「…來。これでいい?」



「あぁ。これからはそれで呼べよ」



満足そうに頷くと、あたしの頭をポンポン、と…



「…へ?」