elevator_girl

あの時と、同じ。

深町は、そう思う。
その時は、これが運命だ、と思っていた。
だが....

運命と言うのは、時として非情なものだ。
愛情だけでは解決できない状況が、二人の仲を裂く。

やむを得ず、深町は身を引く事にする。
そうする事が一番だ、と彼は考えたからだが
後々まで、ふたりの共通の友人たちから
深町の姿勢は非難された。


それからの深町は、殊更恋愛を避けるようになった。
それまで以上に音楽に没頭した。
作品世界に耽溺する事が、唯一の救いだったからだ。

もう、恋なんてしたくない。
そう思った。

一人遊びは孤独なゲーム。
繰り返し、繰り返し。
終わりのないゲームは続く...
その男の魂が、煙となって天に召されるまで...

カレン・カーペンターが「solitair」で歌ったフレーズを
深町は連想する。





死するまで、僕は恋なんてできない。
だって、朋恵の気持ちを....壊してしまったから。

朋恵が結婚した、と聞いたのは
その少し後のことだった。
看護婦になっていた朋恵を、若いドクターが見初め
ごく普通に結婚した、と
クラスメートの裕子が、深町に伝えた。

早すぎる結婚だった、と裕子は言う。
でも、早い方が良かった、と深町は返す。


...そうね、と裕子は頷いた。