その感覚を分かちあいたくて、深町は諒子に音楽を勧めた。
そして、彼女は音楽する事に心を遊ばせる楽しみを
見出したようでもあった。
時を忘れ、楽しげにセッション・メンバーと
心を開いて語り合っている。
....よかった。
深町は、そう思う。
諒子の横顔を遠くから眺めながら。
こうすることで、心を解放する術をひとつ、増やす事ができれば
それは、彼女の感性をより、豊かにする事だから。
「どうでした?諒子さん」
深町は、ひょい、と跳ぶように歩き、諒子の元に向かい
そう尋ねた。
「ええ、とても楽しかった。音楽って素敵。」
簡潔なフレーズだが、その言葉には感動が刻まれている。
セッションする事の楽しさを、感じとれたようだった。



