ある日、いつも練習場所に来た朋恵は言う。
深町の友人、野球部のエース、浩二が好きだ、と。
衝撃を受けた深町だったが、辛うじて平静を保つ。
そして、その二人の仲を取り持ってやった、のだった。
...いつも、こんな役回り。
深町は苦笑する。
そういえば...
どことなく、諒子さんに似てるかな。
モノ・ローグ。
類推すると、どことなく似ているな、と
深町は思う。
不思議なものだ、と深町は思う。
なんとなく、似ている人を好きになって。
似たような役回りをして、結局は見送ってしまう。
それも、いつもの事だったから
別に驚きはしない。その時も、今も同じ。
自分の幸せよりも、彼女の幸せ。
そして、今は友人の幸せを優先しているのだ。
ありがとう、あなたもきっと幸せに....と
別れて行ったひとは、いつもそう言う。
だが。
現実は、物語のようには行かない。
見送ってしまっては、結局は終わってしまうのだから。
物語とて、終わりがいつかは訪れるのだ.....。
でもまあ、それが深町の性格である。
一見軽く見えるのも、感情移入しないことで
逸した時の心のダメージを減らす、と言う防衛手段。
ちょっと、哀しい自己防衛だ....。
今回も、また、おそらくそうなるのだろう、と
深町はため息混じりに、親友、松之と
楽しげにコーラスの話をしている諒子のシークエンスを傍観した。



