深町はにこにこして戻ってきて、松之にそれを見せる「ホレ、これで手紙よりは楽に連絡取れるだろ?
でもな、TPO考えて連絡しろよ。女の子は忙しいんだから。
それと、自分の感情は抑えろ。それ見てどう思うかまで考えるんだゾ。」
なんて、お兄さん口調で言う深町の事を可笑しく思ったが、その友情に松之は感謝した。
松之は、その親友の配慮に感謝した。
「深町、ありがとう。本当にお前って、いい奴だな。」
興奮冷めやらぬバンド・メンバーや、オーディエンス。
図書館吏まで、何事かと出てきて
「静かに!」と言おうとしたものの
あまりに皆がひとつになっていたので、オーディエンスになって聞いてくれていた。文学と音楽、ジャンルは異なっても
心を揺さぶる存在、表現を愛するものの感覚は同じ
なのだろう。
演奏に聞き惚れる、と言うよりは
アンサンブルに心が通っていて、本当に仲の良い連中が音楽を楽しんでいると言う
皆の嬉しさが伝わったのだろう。
プレジャー・オブ・ミュージック。
音楽は一瞬で消え去ってしまうだけに
二度を戻らぬ時間を共有する、と言う意味で
とても貴重なメディアである。
聞くだけでも、生きている音楽に触れて、感じる事は
まさに、その瞬間に自分がここに生きている証でもある。



