「うん、いいですね。似合います。名画のカンバスの中に居る
プロヴァンスの少女みたいだ。」と、深町は
絵なんて見たこともないのに、そんな事を言うので
諒子はまた、くすくすと笑った。
松之も、にこにことして諒子のその、ステージ衣装スタイルを見ている。
「なんで、私だけ赤い帽子なのですか」と諒子が言うと
「リード・ヴォーカルはスカーレット、なんです」と
クワイア・コーラスの眼鏡の子が、そう言ったので
あら、リードだなんて。。。。....と、諒子が困っていると
「さあ、じゃ、一曲行こう。おい、松、お前はフルートな」と
運んできたケースの中から、使い込まれたフルートを手渡した。
「じゃ、行こうか....諒子さん、いいです?」
はい、と頷く諒子に、にんまりと頷く深町。
じゃ、いこうか....カウントをとって、みんなで、せーのっ。
松之は、うろ覚えのフルートで、ストリングスのフレーズを吹く。
深町は、グレン・キャンベルみたいなギターを弾く。
クワイア・コーラスのみんなは、60'sR&Bらしく、クリスタルズみたいな
コーラスを入れる。このあたりは以心伝心。
音楽って言う言葉が分かる者同士のコミュニケーション。
Ba-shu,ba.....と。
ワンコーラス聞いて、リード。



