深町の叔父は、また白い紙に線を引いた。
その上側に論理脳、と書き
下側に生物脳、と書いた。
「また、線で..。」と、深町はさっきの紙と見比べた。
叔父は、にこにこしながらゆっくりと語る。
「うん、これは解剖学的な分類だけど、当然のように
二つに分類される機能は、それぞれの器官を持っている。
面白いと思わないか?構造からして2つに分けられる、と言うのは」
「確かに、不思議だね。」
「そうだろ?この、論理の部分は、いつも、こうした考えたり
話したり、と言う作業をしていて、生物脳の方は
もう少し単純な、外からの刺激に対する反射、で動いている。
明るかったら目を瞑る、みたいな。」
「そうなんだ。なんか、コンピュータに似てるね。」と、シュウは言う。
叔父は、さらに続ける。
「ああ、コンピュータは、人間の思考をモデルにしたものなんだ。
だから、似てるのは当然なんだな。だから、さっきの愛、を当てはめると
生物脳のところに、訳のわからない愛しい気持ち、みたいなものが起こるには
その理由が必要だ。
その理由が、さっき言った、無意識から来ているもの...生まれてからもの心つくまでに
来たものから来ているものが、いわゆる運命的な愛、と言うものの正体だな。
それは、構造からすると、記憶はこの、論理脳のところにある。けれども
「快」の感覚と対になって呼び出される。
赤ちゃんの時とかに、優しくされた記憶とかを、無意識に思い出すんだな。
それに似た感覚を与えてくれる人を、愛しいと思う、のだろう。
だから、シュウの場合は、優しい人が好き、ってなるんだろ。」
「そうなんだ。なんか面白いね。」と、シュウは、科学分析に興味を持った。
「ああ、この分析は主に、精神分析学的な視点だな。ただ、構造に関しては解剖学の所見だが。」



