elevator_girl




愛が本当に必要なのか?と問われれば....
生物として存在していくだけならば、不要だ、と彼はそう言った。


しかし、人間は文化の中に生きていて、文化なくして人間足り得ず
その文化の一つとして「愛」がある、と考えていた方が円熟して生きていかれる、とも。


そうして、言葉を彼は続けた。

「愛、と云う文学的な言い方では曖昧だ、と考えるならば
それは、生命の存続に肯定的な生得的プログラム+文化、と言えるな。



例えば、家族愛。

家族が自分を存続させてくれるから、その相手をも存続させようと力が働く。
論理的だ。


恋愛。


有性生殖の意義として、好ましい対象を選択する。その対象と相互に関係性を構築したい。
故に、行動を取ったり、これも生得的なプログラムの影響で精神が変調する。その状態を恋、と呼ぶ。


至極当然だ。」




「それって根拠あるの?」と、深町は尋ねる。