「自分が逢いたいんでしょ、叔父さん」と深町が言うと
叔父は、楽しそうにばれたかー、と大きな声で
はっはっは、と笑うのだ。
本当に楽しそうに笑うので、深町もなぜか楽しくなってきた。
深町の叔父は、レコードが終わると
こんどは軽快なフォーク・ロックを掛けた。
深町は、聞き覚えのある曲に微笑んだ。
Breadの、"Make it with you" だ。
アコースティック・ギターの霜柱を踏むような音色が
綺麗だ。
I wanna make it with you...と
「君と一緒にいたいんだ」と美しくハーモニーする曲だ。
深町の叔父は、そのあたりにあった白い紙に一本の線を引いた。
「シュウはさ、自分が分からないって言うけど
分かるはずないな。恋心ってのは感情だから。」
その線を隔てて、上側に理論・下側に情動、と書いた。
この叔父はサイエンティック・アナリストだから
状況を科学分析するのは、まあ、仕事だ。
「上側がLogic.下側がemothion,つまりまあ、感情だな」
深町は黙って聞いていた。
「言葉で考えるのは、Logicが無いと理解は出来ない。
だけど、こっちがわ、emothionを表現する言葉は無いんだ。
と、言うより出来ないんだ。論理的じゃないから。



