深町は、その家のガレージにフィアット500を収めた。
ガレージの中には、アルミニウム・ボンネット鈍く光る
スーパー・7の姿もあった。
深町はため息を付いた。
...あのままだったらよかったのにな。
思い込みで、自ら暴走して壊してしまった恋心。
それも、夏名に愛を誓いながら遊び心を出した自分への
罰だ、と思った。
玄関のドアは開いており、深町は、叔父の家に入る。
一応、ドア・サインを鳴らしてから。
「叔父さん、いるの?」
深町は、ジーンズの裾を気にしながら、家に入る。
1970年代のレトロ・モダンのように見えるが
リアル・レトロである。
玄関にはオートバイが置いてある。
この叔父は、オートバイも好きでいろいろ、コレクションしている。
玄関ホールの先には、がらんと広い洋間が開け放たれて
その向こうは倉庫代わりに使われている離れ。



