そんな、古い歌を思い浮かべていた。
今まで、なんとなく....
夢のようなイメージだったものが、現実になってしまうと
何か、壊れてしまったような、そんな気持ちだった。
俺は....
何に恋していたのだろう。
....たぶん、それは。幻想の中の理想を
投影していただけ、なのだろう。
現実に、夏名や、湯瀬さんと同じ現世の人間として見てしまうと
何か、夢がしぼんでしまったような、そんな気持ちだった。
諒子と会話したり、ふざけたりするのは楽しい。
でも....それは、言ってみればfriends-love。
自分が愛したいのは、そういう人ではなくて
やっぱり、真摯に自分だけを思ってくれるような、そういう人なのだ。
深町は、自認した。
そう思って今までを振り返ると
どことなく誘われ慣れているような諒子の言動が、やや気になった。
割と簡単に連絡先を教えたり、気軽に誘われたりする...



