秒のエクスタシー。
深町は、すぐに自分を取り戻す。
常に冷静なのは、彼の本質。
甘美な幻想を打ち払い、起き上がろうとする...
だが、華奢なように見えても意外に人体は重い。
それは当然である。如何に軽かったとしても
30kg以上はあるのが人体である。30kgといえば
セメント一袋であるから、軽い訳がない。
諒子は、もう少しはありそうだった(笑謎)。
深町は、やっとの思いで起きあがると
転倒のショックか、ぼんやりしている諒子に声を掛けた。
「大丈夫ですか?」
「.....あ.......。」まだ、転倒のショックから醒めない。
深町は、ユーモアとウィットを効かせて
「55kgはありそうだな~。」
諒子は、はっ、と覚醒し(笑)
深町から離れた。
視線を反らして、街灯りを見ながら
乱れた着衣を直し、髪を撫でながら
夜風を、爽やかに感じている。



