その日は夕方までライト・ミュージック・ソサエティの連中と騒ぎ
18時。
やっぱり、空は晴れなかった。
「じゃ、松、いくか。」
「ああ。」
松之も楽しそうだ。イベントだから、と言う事もあるが
最初に出会った時みたいに、3人で楽しくやれると言う
その気持ちだけでも、昂ぶった。
深町は、ドライバーズ・シートに座る。
松之は、ナビゲータ・シートへ。
スターターが回る。
ポロポロとかわいらしい音を響かせて、フィアット500は
ふんわりと走り出す。
いつもの坂道をゆっくり降りていく。
ただ、走っているだけで楽しかった。



