elevator_girl


重荷は感じつつも、朋恵は深町の元へと訪れる。
「しゅーねんと居ると、自然で居られるから好きョ。」

しゅーねん、と言うのは深町の中学時代のペット・ネームだ。
いつも、朋恵は彼をそう呼んでいた。
そうすることで、中学生の頃のようにpure な気持ちに戻れるから、
そう思っていた。

深町は、朋恵をまた中学生の頃と同じつもりで見ていた。
だから、複数の人に求愛されている、と言う相談にはどっきり、とした。

心の中のイメージで愛しい、と思っていた朋恵が
急に生々しい女性になってしまったから、だ。
そしてまた、はっきりと断らずに複数の人と交流している
朋恵を嫌悪した。
それは、彼女の優しさ故、の事だったのだが...。
そんな彼女を見たくはなかった。深町はそう思った。


天使が地上に堕ちた.....そう深町は思った。
息づかい生々しくそこに存在する朋恵は
魅力的な女性に成長していたが
なぜか、深町はそれを我が物としたい、とは思わなくなった。
その時の深町はあまりに未熟、偶像崇拝的であったからだ。