elevator_girl


深町自身、父方の祖父が国鉄職員であったから
そうした血筋、のようなものが
生得的にプログラムされていたのかもしれない。

そして、何故か朋恵は看護婦になった。
白衣を着た朋恵は、深町にとっては
尊敬する職業の人、であり
かつ、幼少期に刻まれた「優しさの原体験」を
追体験する存在足りうる人、になった。

優しさ、愛。
愛他的な深町は、自己愛を嫌う。
それは、こうした原体験に拠るものだが

だが、相互に思い合い、相手の為だけを思う事ができたら.....
朋恵は、そういう関係を築きたいと思ったのだろう。

しかし、彼女にとって不幸だったのは
形としては深町の所にいつも救援を求めている、と言う事にあった。
深町自身が思慮深い性格なので、朋恵に何かを求めると言う事が
無かったからだ。
そのアンバランスさは、朋恵の重荷になっていた。
そしてまた、複数の人に求愛される重苦しさも......。