elevator_girl



鈍く光るアルミニウムのボディを眺めながら、深町はそう考える。


....こういう人は、大変なんだろうな。

深町の初恋の人、朋恵もそうだった。
心底優しい性格故に、断る事が出来ない。
それが人気の所以でもあったが、結果的に
多くの人からど同時に愛を求められてしまい....


困り果てていた時、偶然か運命の悪戯か
深町は朋恵に再会する。


「また誘ってね。」と、朋恵は深町に救いを求めた。
事ある毎にそんな風に救援していたから、格別な感動も無かった。
そういう不思議な関係がずっと続いていたし、深町自身は
音楽にエクスタシーを感じていたから、恋人、と言えるような人も
持たずにいた。

そんな必然性が無かったからなのだ。

元々、朋恵に看護婦の仕事を勧めたのは深町である。
中学卒業時、進路に迷っていた朋恵は、深町に意見を求めた。

意味が分からなかった深町は、看護婦はどう?と軽い気持ちで言った。
深町は、幼少時にとても体が弱かったから、医療や看護、と言う
献身的に人に奉仕する仕事の人をとても尊敬しており
それ故の言葉だったのだ。