この時の松之のような気分の時は、もっとエネルギーを放射しているに違いない。
オーヴァー・ヒートすれば思考も正常でなくなるから、空気で冷やすのは至極論理的である.....
風に吹かれた松之は、すこし冷静さを取り戻す。
....そうだ、僕は何をしていたんだ。図書館の前で、諒子さんを置き去りにしてきてしまった。
衝撃を受けたから、仕方ない事とは言え
それはちょっと失礼だな、と松之は
屋上からエレベータ・ホールへ向かおうとした。
その時。
古いエレベータのモーターが唸り
エレベータのゴンドラが昇ってくる気配がした。
機械式のチャイムが鳴り、エレベータのドアが、がらがら、と開いた。
人が下りてくる気配。
しかし、隠れる場所もなく、松之はやや狼狽気味。
...どうしよう?
別に隠れる事もないのだが、取り乱した自分の気分が顔に出ていないだろうか、と松之は羞恥した。



