ぼんやりと、瞬きをする様を、深町は
生まれたての天使のようだ、と思う。
夏名は、深町を見上げる。
ずっと前から.....あなたを。
その、あとのひとことが、夏名は言えなかった。
頬を染めて俯く夏名をまた、深町は優しく抱擁した。
夏名も、ゆるやかに解放されて....やわらかく、身を委ねた。
誰が見てたって構わないさ。と、深町は思った。
今、一生で一番大切な瞬間なんだ。
二度とは来ない、素敵なこの時を....
生涯忘れないだろう、深町はそう思った。
理工学棟の屋上で、松之は風に吹かれている。
頭を冷やす...などと言うが、本当に効果があるのだ。
思考は意外にエネルギーを消費する。そして、エネルギー代謝の結果熱を放出するのだが
体温の25%は頭が放射している。
無論これは通常時、の事であり



