甚だ不条理なようだが、それもまた恋の真実である。
理論では割り切れない部分があるからこそ、人はルールを守る。
それでこその人間同士の愛情である.....。
大切なものを無くしたような気がして、松之は
Diana Ross の"Endless love" が、エンドレスで鳴り続く
図書館前の広場から、呆然として立ち去った。
松之は、それと同時に自嘲した。
一瞬前まで、諒子さんを好きだ、と思っていた自分。
それが、夏名と深町が心で愛し合っているのを見....
嫉妬するのではなく、夏名を失った、そう思っている自分を
恥ずかしいと思ったのだ。
....僕は、そんなにいい加減な人間だったのか。!
青年らしくストレートに、松之は悩む。
ふらふらと歩きながら、気づくと理工学棟の屋上に居た。
眼下に広がる城下町。駅があって、城址公園があって...
あの、桜舞い散る中で感じた爽やかな恋心は、嘘だったのか?



