elevator_girl


でも...と、作業に携わるあたりに旧来的なものを
松之は感じ取っている。故郷の人々のような、実直さ、
地に足のついた生活感。

それは、案外今では蔑ろにされているものだが...
重要だ、と松之は思っていた。
好感を以って諒子への視度が高まる松之であるが


図書館の閉館時刻が更に迫っていることに気付き....






諒子は松之に促されるまま、図書館への階段を昇る。
後ろ姿を見送りながら、どことなく淋しげな横顔を見せる
深町を、遠くから夏名は見守っていた。

「先輩!」と努めて元気に明るく、夏名が声を掛ける。

あ、ああ、と、深町は普段の顔色を繕い、
夏名に笑顔を作った。


.....俺、どうかしてるよな。
初恋の残像を、諒子に見ていた訳ではない。
なのに....

この淋しい気持ちはなんなのだろう?

思いながら、二人が消えた図書館の入り口を
ぼんやり見ている深町。

斜め後ろから、すこし距離を置いて
その深町の様子を見、夏名は思う




...先輩...ファイト!

なぜかわからないが、夏名は心でそうつぶやいていた。