「ありがとうございました」 そう言って降りるときに視線を感じたからリョウの方を見るとこっちを見ていたけどまたすぐに目をつぶった。 なんだろ。顔になんかついてたかな。 まぁいいや。 ハルは笑顔で 「またね。」 と言った。 私たちにまたなんてないのに。そう思いながら黒塗りの車に背を向けて家までの道のりを歩いた。 運命の歯車が完全に動き始めたことにも気がつかずに。