ヘッドホンの君



梨花はふっと微笑んだ。



「新宿ー新宿ー終点ですー」



車内アナウンスが入り、ドアが開いた。




彼女は思い残すことなく電車を降りた。



一度も振り返ることもなく。



ヘッドホンの君。



ほんの通学中の思い出。