近藤 麻友、15歳。
今日から、フェザー学園美術科に入学します!
フェザー学園は、あらゆるジャンルの科がそろっていて、美術科の他にも、芸能科、音楽科、書道科、体育科、情報科、理数科、外国語科、普通科など、たくさんの学科がある。
倍率もものすごく高くって、私が合格できたのも奇跡ののようなものだった。
それに、美術科は、中卒で入れた人は、今まで一人もいなかったんだって!!
そんな理由から、美術科に知り合いは一人も居ない。
普通科に小中同じだった幼馴染も居るけれど、美術科では、私一人。
心細い気もするが、期待もしている。
これから始まる、新しい生活に!
「近藤ー!」
後ろの方から、私を呼ぶ声が聞こえて、振り返る。
「歩くん!」
私と同じ中学校出身で、普通科に入学した、幼馴染の西田歩くんだった。
歩くんは小学校の時からずっと同じクラスで、何かとお世話になってきた。
2人とも合格したときは、2人で大号泣したっけ。
「普通科、皆頭よさそうな奴ばっかでさー。上手くなじめるかなぁ」
「大丈夫だよ、歩くんなら」
「そうかぁ?」
歩くんは微妙そうな顔をするけれど、私からすれば、歩くんのフレンドリーさは尊敬したいほど。
明るく接しやすい彼に何度助けられたことか。
「美術科はどうだった?」
「あっ、うん、私のクラスは女の人だけなの!だからすごしやすいかも」
男の人は学年にも数名しかいなく、その男の人は、学年関係なく一クラスにまとめられてしまっている。
授業はどうしてるのだろう。
「そっか。じゃあ大丈夫そうだな」
「?何が……?」
「いや!何でもないんだ!気にすんなよなっ!!」
「う、うん……?」
まあ、平和に過ごせると良いなぁ……。