耐える。

ただ、黙って耐える。

幼かった私にはそれしかできなかった。

なぜ、こんなことをされているのか

なぜ、みんなは耐えれるんだろう

その異常がみんなと同じだと信じていた。

「それは違う」

そう教えてくれたのは、

見たこともない女の人だった。

綺麗で、強くて、だけど

いつも泣いていた不思議な人。

「今度は、守れるかなぁ...」

目を真っ赤にさせて、

綺麗な顔をぐしゃぐしゃにして

汚い私を抱きしめてくれた。

その時、私は決めたんだ。

私がこの人を守ろうって。