ご懐妊は突然に【番外編】

そしてそれからさらに数ヶ月後


「おめでとうございます。妊娠3ヶ月です」

眼鏡をかけた女医さんが無表情のまま結果を告げる。

相変わらず、おめでとう感が全然伝わってこない。

「はあ。そうですか」

私もヘルニアを告げられたようなリアクションである。

「で、産みますよね?」

「まあ、産みますね」

…デジャヴだ。


口から魂が抜け出たまま、私はフラフラした足取りで産婦人科を後にした。

私のお腹には3ヶ月になる赤ちゃんがいる。

圭人と英茉もついにお兄ちゃんとお姉ちゃんになる日が来たのだ。

英茉のお祈りが通じたのか、それとも想い出の部屋のご利益があったのか。

はたまた2つの相乗効果があったのかもしれない。

嬉しくて走りだしそうになるが、足をピタリと止める。


今回は帰ったら一番に報告しよう。

きっとみんな驚くでしょうね。

私はそっと下腹を撫でた。

ご懐妊報告をした時のリアクションを想像すると、思わずクスクスと笑みが零れてしまう。

傍から見れば怪しげな女だけど。

再び颯爽と歩きだし、私は愛する家族の待つ家へと帰って行った。



END