ご懐妊は突然に【番外編】

双子ちゃんのことも燁子さんに直接会って報告したかった。

匠さんがアメリカに行っている時、燁子さんと夜な夜な女子会を開催していた。

顔立ちがよく似ているので酔っ払うと匠さんと飲んでる気分に浸れたものだ。

寂しかった夜を、どれだけ燁子さんに救われたのだろう。

「そのうちひょっこり帰って来るって」

航生さんが言うと何だか本当にそうなりそうな気がするから不思議だ。

そうだ、これ、と言って、航生さんはポケットから水色の封筒を取り出して、私に差し出す。

「ご所望の品だよ。遅くなってごめんね、遥さん」航生さんはバチリとウィンクする。

「ありがとうございます」私はハニカミながら受け取った。

「なんだ?メルアドか?」匠さんは即座に突っ込んで来る。

「今更?とっくにLINE ID交換してるから」ねえ、遥さん?と航生さんに微笑み掛けられて私はニッコリ笑いながら頷く。

「本当にお前は節操がないな」

「兄さんに言われたくない」

虫も殺せぬような優しい顔をして航生さんもなかなか言う。

「それじゃ、お母さんプロデュースの披露宴楽しみにしてるわ」

晴子さんはニヤリと含みのある笑みを浮かべる。

「兄さん、受難の時だね」航生さんは同情の笑みを浮かべた。

さすがお二人ともよく解っている。

石油王ばりのお衣装なんてほんのプロローグにすぎない。

美しい二人はヒラヒラと手を振りながら控室から出て行った。