ご懐妊は突然に【番外編】

その時部屋のドアがガチャリと開き私達は手を握り合ったまま振り向いた。

「おおー姉ちゃん!いいじゃーん」

タキシードを着た青年たちがドカドカと控え室に入ってくる。

「ノックくらいしなさいよ!櫂!空良!」

私はキッと双子の弟達を睨みつけた。

二人は中学三年生になり思春期真っ盛りだ。

真ん丸だった顔も顎が尖ってシャープになり、序所に少年から大人の顔に変わりつつある。

「なんだよーまた抱っこでもしようとしてたのかよ?」

古い想い出話を持ち出して、空良がニヤニヤ笑いながら冷やかす。

「羨ましいだろ。お前達も抱っこ出来る彼女が出来たのか?」

匠さんは私の見せつけるように私の腰を抱き寄せる。

「いねーよー彼女なんてー!」空良と櫂は口をそろえて答える。

「でもさー姉ちゃんみたいな貧弱な女は俺はぜってーヤダ!」

「ちょっと!あんた!何て事言うのよ!」私は目を吊り上げて櫂を怒鳴りつける。

昔はあんなお姉ちゃん、お姉ちゃんって懐いてきたのに随分な言われようだ。

そんな櫂を匠さんは鼻で笑う。

「確かにな、俺も始めてお前の姉ちゃんを見た時にはそう思ったよ。」

「え?!そうなの?!」私はギョっとして聞き返す。

やっぱなー、と言って双子達は何故だかゲラゲラ笑い出す。

何がおかしんだ。全然笑う所じゃない。

「だけどな、お前らの姉ちゃんはめちゃくちゃいい女だぞ?」

「匠さん…」

思わぬ台詞に胸がジンとしてしまった。