ご懐妊は突然に【番外編】

「常務のお友達でイケメンいる?」さっきまで寂しそうにしていた香織も浮足立つ。

「いたとしても女癖は最低だよ」

2人ともはしゃいでいて私の忠告は無視だ。

「そういえば、匠さんの弟ってすっごく格好いいかも」

お正月にあった末っ子航生さんを思い出した。

「いくつ?!」「何してる人?!」2人とも興奮して矢継ぎ早に問いかけてくる。

「警視庁にお勤めの24歳だよ」

「公務員!いいじゃなーい!」ユミがピラニアのごとくガブリと食いついてくる。

「常務とどっちが格好いいの?」香織の質問に私は「弟」と、即答した。

「ちょーイケメンでー優しくてースマートで、今だに話す時キンチョーしちゃうもんね」

私は美しい航生さんを想い、ホウ、とため息をついた。

「常務もイケメンで優しそうじゃん」香織の意見に私はぎゅっと眉根を寄せた。

「ああ見えて意地悪よ。ガキだし」

「だから、悪口を言う時は慎ましく、って言ったろ?」

不意に会話にカットインされて、私達は肩をビクリと痙攣させる。

聞き覚えのある声の方へと恐る恐る振り返る。

「また三人娘で悪口大会か?給料ドロボーだな」

匠さんが腕を組んで立っていた。