「小鳥遊遥輝(タカナシハルキ)だ。...」

小鳥遊と名乗った転入生はあたしを見ると、眼鏡の奥の目を細めてニヤリと意地の悪そうな笑みを浮かべた。
いやー鳥肌がすごい。新記録ですよ奥さん。何キャラだあたしも。

「小鳥遊とやらの席は...真田の隣じゃな」

「はぁぁ?マジ意味不明。理解不能。あたしの隣、晃いるじゃん」

「ふむ...まぁよしとするぞぃ」

「「よくねーし」」

あたしと晃の声が見事に被る。まぁ両想いだしね。あ、なんか照れる。
でもごめん晃。
正直あたし、晃の隣がいいんじゃなくて、アイツの隣が嫌なんだわ。

「ほう...随分と仲がいいようだな、なー」

あたしのことを“なー”って呼ぶ、アイツの隣が。