そして、兄は少し落ち着いた頃、地元を離れた。
母に離婚しろと離婚届けに判を押させた。
行方不明の父と一緒にいたって仕方がない、何よりも、借金取りから逃れる為の最善策だった。
そして、母も地元を離れ、
遠い県で暮らし始めた。
そして、私も結婚して家を出た。
長男の兄は大学から県外に行ったので、この時、すでに家にはいなかった。
長男の兄が家を出てから、6年がすでに経っていた。
兄は一人で全てを背負い込んだ。
それでも
強くて、真っ直ぐで、
頼もしい兄の姿は変わらなかった。
それから、お互い 家庭を持ち、
それぞれ生きていくのに必死だった。
兄とは、他県で離れ離れになったので、電話のやりとりやメールや何年かに泊まっては会うだけとなっていた。

