2・5次元の彼女

「だって、この前、好きな人がいるって、言ってたじゃん! 片想いだって――」
言いかけて自分の言葉にハッと息を呑む。

片想い?
相手の女性には他に好きな人がいて――

じゃあ
あのとき景斗が相談してたのは
全部私自身のことだったの?

景斗が申し訳なさそうに私を見た。
「そのままだよ。嘘はついていない」
「そのままって……」

急に頬が熱を帯びた。
鼓動が走り出す。
なにそれ。急になんで、そんなこと……

景斗は目を逸らして情けなく笑った。
「ごめん、こんなこと言われても迷惑だよね。
HARUさんのこと好きだって言ってんのに、どうしろって話だよね」
自分自身に向けて深い深いため息をつく。
口にしたことを後悔しているのかもしれない。

己を責める景斗の姿を見ていたら、気づけなかった自分が情けなく思えた。
今まで散々、無神経なことを相談して。
どうして景斗の想いに気づいてやれなかったんだろう。

景斗がふと顔を上げた。投げやりにも取れる、痛々しい自嘲の笑み。
「ねえ、ユウさん。
最後にひとつだけ聞いてもいい?」
景斗が私の手を取って言った。
「僕が、HARUさんのものにならないで欲しいってお願いしたら、聞いてくれますか?」
懇願する、真っ直ぐな瞳。