ふと画面の隅から人影が現れ、私たちではない誰かのメッセージでチャットが更新された。
『乙カレー』
乙なカレーではない。『お疲れ』のタイピングミスだ。
こんなボケたことをしてくるのは、彼女しかいない。
私と景斗は挨拶に答えた。
『お疲れ、イリーナ』
イリーナと呼ばれた女性は、淡い紫色のひらひらとした服をなびかせながら、私たちの元へやってきた。
彼女の身なりは上品で可愛らしく、そのくせ行動は大胆かつ大雑把。
そのギャップがなんともミステリアスなムードを醸し出している。
彼女は私たちの傍までくると、キャラクターをぺこりとお辞儀させた。
『お2人は暇? 狩り、手伝ってもらえない?
欲しい錬金用の素材があるのー』
もちろん、仲間に助けを求められて、断る理由はない。
『了解』
『いいですよ』
イリーナに促されて、私たちは立ち上がった。
走り始めた彼女の後について、私たちもキャラクターを走らせる。
彼女に連れられてやってきたのは、街から少し離れた森。
この場所のモンスターは、楽勝で倒せる。
――はずだった。
今日こんなにも苦戦を強いられた理由は、他でもない。
HARUがいないからだ。
私が鋼の肉体で敵の攻撃を受け止める。
防御力の弱い景斗とイリーナが、後方に隠れて支援魔法を打つ。
だが、敵に必勝打となる攻撃を与えられる人物がいなかった。
『やっぱり主砲が不在で狩りは厳しいかぁ』
イリーナが攻撃の合間に呟いた。
HARUは私たち3人よりも古くからゲームを始めていて、レベルも断トツで高かった。
騎士である彼は攻撃力に突出していて、この程度の敵は1撃でなぎ倒すことができる。
『乙カレー』
乙なカレーではない。『お疲れ』のタイピングミスだ。
こんなボケたことをしてくるのは、彼女しかいない。
私と景斗は挨拶に答えた。
『お疲れ、イリーナ』
イリーナと呼ばれた女性は、淡い紫色のひらひらとした服をなびかせながら、私たちの元へやってきた。
彼女の身なりは上品で可愛らしく、そのくせ行動は大胆かつ大雑把。
そのギャップがなんともミステリアスなムードを醸し出している。
彼女は私たちの傍までくると、キャラクターをぺこりとお辞儀させた。
『お2人は暇? 狩り、手伝ってもらえない?
欲しい錬金用の素材があるのー』
もちろん、仲間に助けを求められて、断る理由はない。
『了解』
『いいですよ』
イリーナに促されて、私たちは立ち上がった。
走り始めた彼女の後について、私たちもキャラクターを走らせる。
彼女に連れられてやってきたのは、街から少し離れた森。
この場所のモンスターは、楽勝で倒せる。
――はずだった。
今日こんなにも苦戦を強いられた理由は、他でもない。
HARUがいないからだ。
私が鋼の肉体で敵の攻撃を受け止める。
防御力の弱い景斗とイリーナが、後方に隠れて支援魔法を打つ。
だが、敵に必勝打となる攻撃を与えられる人物がいなかった。
『やっぱり主砲が不在で狩りは厳しいかぁ』
イリーナが攻撃の合間に呟いた。
HARUは私たち3人よりも古くからゲームを始めていて、レベルも断トツで高かった。
騎士である彼は攻撃力に突出していて、この程度の敵は1撃でなぎ倒すことができる。



