2・5次元の彼女

胸がずきっと響く。

HARUの昔の彼女?
確かに、すごく美人だった。

「HARUは、ああいう女性が好みなんだ?」

思わず口に出てしまって、後悔する。
聞かなきゃよかった。


HARUが何かを答えようとしたとき。

ピンポーン――……

チャイムが鳴って、私たちの意識は玄関へと注がれた。
どうやら景斗がやってきたようだ。

HARUは景斗を迎えに、リビングを出て行く。


今、何を答えようとしていたんだろう。
HARUの後ろ姿を見送りながら、どくんどくんと脈打つ自分の身体をぎゅっと抱きしめた。

「ユウさん?」
そんな私をイリーナが不思議そうに覗き込む。

「あ、ううん、なんでもない」
私はパッと笑顔を作って顔を上げた。


やがて2つの足音が近づいて
「お疲れ様です」
景斗がリビングに姿を現した。

仕事帰り、やはりスーツを着ていて、どこか凛々しい景斗。
だが、前回会ったときよりもあどけなさは増している。

景斗の変化に敏感に反応したのはイリーナだった。
「あれー! 景斗なんだかイメージ変わってない!?
ちょっと若返った感じ。眼鏡取ったんだね。コンタクト? 髪も染めた?」

「少しだけね」
景斗は照れくさそうに笑う。

HARUが景斗の肩をポンと叩きながら呟いた。
「お前って健気なやつだったんだな」

健気? なんのことだろう?

景斗は、あははと渇いた笑いを浮かべていた。