2・5次元の彼女

店内を軽く見て回ったあと、HARUがさも今思いついたかのように言った。
「そうだ、ユウ、景斗をコーディネートしてやってよ?」
「え!? 僕?」

心臓をどきりと跳ね上げる景斗。
恐る恐るユウの方を見ると、ユウも同じように景斗に視線を向けていた。

『どうするのよ?』というようなユウの瞳。

抵抗できる訳がない。
「お、お願いします」景斗は素直に頷いた。

その言葉を聞いたユウは、さらに景斗をまじまじと見つめる。
何なのだろうか。蛇に睨まれた蛙の気分。

だが、ユウの視線が上へ下へと移動していることから、彼女が服を見立てているのだということに気づく。

彼女は少し考えるように間を置いてから
「私の中の景斗のイメージで服を選んでいいですか?」
そう言って腕を組む。

彼女の中の僕のイメージとはなんだろう。
不安を抱きながらも「はい」景斗は硬く返事をした。

ユウは服のかかったラックに向き合うと、その中の一着を手に取った。
少し光沢のある生地でできた、緩やかなフォルムのジャケットだ。

「景斗は、穏やかで、あどけない印象なので、キチッとしたジャケットよりも、柔らかな抜け感のある素材が良いと思います」
そう言って、景斗の身体に選んだジャケットを重ね合わせる。