2・5次元の彼女

「1週間ぶり」
HARUは笑顔を浮かべる。

対してユウは
「な、な、なんでっ……ここに……!? どうして……!?」
尋常じゃないくらい動揺しているようだった。

「何言ってんだよ、ユウ、前にここで働いてるって言ってたじゃないか」
平然と嘘をついたHARUに、今度は景斗が驚きで言葉を失くす。

「……そ、そうだったっけ……」
身に覚えがないだろうに、ユウは納得してしまったようだ。

「へぇ、ここがユウの働いてる店か」
もの珍しそうに辺りを見回すHARU。
その動きは自然で、どう見てもただ遊びにきた友人としか思えない。
裏の企みなど全く感じさせない振る舞い。
演技派だ。景斗は心の中で感嘆の声を漏らした。

「ユウ、せっかくだから、接客してくれよ?」
HARUの言葉にユウがびくりと震えて背筋を伸ばした。

「え、ええと、何かお探しのアイテム……ございますか?」
ユウは動揺しながらも、店員として務めようとしてくれているみたいだ。

狙い通り、客として来たと宣言された以上は、文句を言えなかったようだ。
景斗はときたま睨まれているような視線を感じていたが、はっきりと拒絶されなかっただけ、まだましと言えるだろう。

さすがだよ、HARUさんの計算通りだ。

HARUの存在が心強くもあり、少しだけ怖ろしくも感じた。