2・5次元の彼女

抱きしめられて、気がついた。
結局私はなんだかんだ理由をつけて
ただHARUに会いたかっただけなのだ。

1カ月間、欲しくてやまなかったHARUのぬくもり。
これ以上我慢しろだなんて、無理だった。
欠落した時間を埋めるかのごとく、力強くHARUを抱き返した。

このままずっと一緒にいたい。
きっとHARUも同じ気持ちのはず。
私を抱きしめる腕から彼の気持ちが伝わってくるようだった。
限られた時間なのだとしても、傍にいたい。
言葉なんてなくても、触れる身体で通じ合える気がした。

が、HARUが紡いだ言葉は、優しい抱擁とは対極にあるものだった。
「もう二度と俺のところに来るな」

え?

彼の胸に埋まりながら、私は目を見開いた。
バラバラな言葉と身体に、頭がついていかない。

どうして?

混乱している私に、HARUが追い討ちをかける。
「もうここへ来たらダメだ。
俺のことは忘れろ」

そんなの嘘だ。

だってこんなにも、腕が、体が、求め合っているじゃないか。
どうしてそんなことを言うの?

心が認めるのを拒否している。
こんなの嫌だ。

この1カ月間、どうしようもなく空っぽだった私。
なのにHARUは何も感じてなかったというの……?