2・5次元の彼女

やがてイリーナから返事が届いた。
『助けて』

完結な一言に、一体何をどう助ければいいんだろうかとしばし悩む。


とりあえず机の上に携帯を置くと、それを待っていたかのように、背後で人影が止まった。

「水原」
自分の名前を呼ばれて、景斗は我に返った。

振り向くと、よく知っている顔が立っていた。
「……岡崎? どうしたの?」
景斗がその人物の名前を呼ぶと、彼は少し垂れ気味の瞳をより一層細くして、にっこりと微笑んだ。

「水原、今日午後一で会議だよな? 早飯行かねえ?」

ふと時計を見ると11時半。
確かに、早めの食事を取るには丁度良い頃合だ。

「そうだね、行こう」
景斗は携帯と財布をスーツのポケットへ押し込み、席を立つ。

オフィスの細い通路を縦に並んで歩きながら
「いつもの定食屋でいい?」
肩越しに振り向く岡崎に、景斗は「うん」と同意した。