HARUが微笑む。
「夕莉があまりに可愛かったから、撮っちゃった」

疑惑が確信に変わり、言葉を失う。

人の裸を撮るなんて。
ひどい。悪趣味だ。

私はHARUを睨みつけると、そのカメラを奪おうと飛びついた。

HARUはさっと身をかわして、カメラから私を遠ざける。
「だーめ」
意地悪に笑うHARUは、なんだか高圧的で、もはや私の知ってる優しいHARUではなかった。

「今すぐ消して!」
私は必死に彼の胸へすがりつく。

涙が出そうだった。こんな仕打ちってある?
大好きな人が結婚してた上に、裸の写真を撮られるなんて。

「大丈夫だよ、誰にも見せたりしないから」
「そういう問題じゃないでしょ!?」
私が声を荒げると、HARUはまあまあとのん気に私をなだめた。

「ああ、でも」HARUはニヤリと笑みを浮かべ、私の耳元で囁く。
「景斗と浮気したら、見せちゃおうかな」

その言葉に、私は凍りつく。
信じらんない。どうしてそうなるの。

だいたい、HARUは結婚してるじゃん。
私が誰とどうしようと、文句を言えるような立場じゃないし、浮気も何もないじゃないか。
なのに、どうしてそんな脅すようなこと……