側にいたいだけなの

私は、生まれたときから裕福な家で育って世間のことを触れずに生きてきた。

裕福なといっても。大豪邸に住んだり、執事がいたりとかそんなのじゃない。

ある程度のお金があるくらい。

それでも、生活とかには困ってないし。
どっちかっていうと。有り余っているくらい。

そこで生まれた三姉妹の長女が私だ。

私は小さいときから元気で走り回って親に心配ばかりかけていた。

次女は私とは違って大人しく親のそばから一歩も離れず心配はなかった。

三女は長女と次女とかなり年が離れていて。おねぇちゃんたちにおいつきたく、とてもませている。

わたしが中学生になると
親戚はみなわたしのことを
「しっかりしてるわねぇ」
「考え方がおとなぁー!」
「元気で優しくてうらやましぃわ」

と口々にいう。
嬉しかった。そんなこといわれないから。
ましてや、自分がそんなふうだとは思ってなかったから。

母親はいつも厳しかった。
誉めてなんかくれない。でも。次女には誉めてた。「できるこ」だから。
父親は家にいない。
わたしのことを理解してくれなくもなってきた

だから、努力した。
勉強も部活も。

認めてもらうために。
理解してほしくて。

でも、どんなに夜遅くまでやっても。頑張っても結果は出なかった。
悔しかった。認めてもらえない。努力がみのらない。これからどうしようなどと、不安ばかりが私を襲う

定期考査が終わるとかならず帰ってくる父親に母親は結果報告をする。

父親はわたしと性格がにていて認めてくれているところがある。
あまりに心配はしていなかった。
父親なら………

母親が父親にこういった

「彼女夜遅くまで頑張ってたの。結果は出せなくても。仮定がしっかりしてればいいでしょ?」

といった。
とても嬉しかった。あんなに厳しかった母親が初めて私を誉めてくれた。認めてくれないとおもってたから。全て勘違いだと思った。それにたいして父親は

「結果がすべてだ。結果がだせないなら意味がない。仮定がどうあれ。結果がだせてなかったらだめだろ?」

そういった。
母親もそれに納得してしまった。

絶望的だ………。
家族の中で一番信頼して話がわかると信じていた父親があんな言葉をくちにするなんて。信じたくなくてもあの言葉がこだまする。何度も何度も何度も………

当時私の好きだったものは二次元だった。

でも、母親も妹達もそれを否定した。
偏見をもった。

家にいてもつまらない。
理解してくれる人がいない。
話す相手もいない。