どうして?と聞くと、海底にはきっと扉があるの。と答えた。
本当は意味がわからなかったけど、その時は自然と納得した。
゛海はお好き?゛
海は大好き。つい最近まで山中にいたからね。
゛私も大好きなの゛
そんな感じがしたよ。
そんな他愛のない会話、珊瑚礁の死骸を見つめながら話した。
゛私、扉見つけたい。だから、毎日夜泳ぐの。゛
夜?どうして、夜の海は真っ暗じゃないか。そもそも海底なんだから‥‥
といいかけて口を噤んだ。
違う、きっと君はそれを信じて生きてきたんだ。
君にとって゛夜゛ではなくてはならない理由があるんだね。

ねぇ、君はいつ沈むの?