二本目は違えることなく、的の中央に命中した。






少し強い風が吹いてきて、緑色の葉が羽のようにはらはらと散る。それらが遮るもののない道場内に舞い込んできた。



蝋が塗られたような、艶やかな葉の表面が宙を翻る度に、木漏れ日を反射してキラキラと輝いた。





その煌めきに導かれるように、清花はふと、保護者達の一番後ろに目を向けた。








比較的、ラフな格好の父母達に紛れて、ピシッとした背広姿の男性がいた。






すっと伸びた背筋。



真っ黒の黒髪。



少し、しわが寄っているけれど、品の良い顔立ち。



感情の見えない、涼やかな目元。










誰と確認しなくても、わかった。












函南君のお父さんだ。









その傍らで、華奢で小柄な女性が、柔和な笑みを浮かべて函南君を眺めている。

顔立ちはあまり似ていないけれど、さりげない仕草や、目尻を細めた時の表情が函南君にそっくりだ。




お母さんに違いない。