雨恋~雨のちキミ~

「へぇ、千賀ちゃん家ここなんや?」


「………そう、ですけど…」


「んじゃ、また遊びに来よ」


「「は?」」


冗談とも本気とも取れる言葉に、あたしと水月先輩の声が重なる


「何ぃー?アカンの?」


普通、彼氏以外の男の人なんか家に上げへんやろ


しれっとした顔で言うから、思わず


「お断りします!」


思いの外、強い口調になってしまった


「ほんならー、水月と一緒やったらいい?」


えぇええっ?

何でそんなに来たがんの?


鷹野先輩が分からない


「誰が連れてくるか」


水月先輩の一言に胸がキュッとなる


「何でやねん、ケチー」


「ケチちゃうやろ。何で人の彼女ん家にわざわざ行きたがんねん」


「えー、だって俺彼女居らんし。女の子の部屋とか入ってみたいやん」


「キモイわ」


皆からキャーキャー言われている水月先輩が

鷹野先輩と一緒だと普通の男の子に見える

クラスの男子のように、下らないことでお喋りを楽しんだりじゃれ合ったり…

フィルターを通じてしか見えてなかった素の先輩が

今、あたしの前に居るんだ


「あ…あの………」


向かい合って話をしている先輩達に声を掛けた

2人のやり取りをジッと見ているのも楽しいけれど

ここで話し込んでたら、いつお兄ちゃんに見つかるか分からない