雨恋~雨のちキミ~

※※※



───5時間目


ただいま古文の授業の真っ最中

食欲も満たされ、ただでさえうたた寝しそうになる時間帯

周りでは何人かが舟を漕いでいる

隣の塩野くんも、あたしの視界の端で頭を振っていた

必死に睡魔と格闘しているらしい


水月先輩と鷹野先輩の登場に食べることも忘れて呆けていたあたしは


『早よ食べや』


という柚羽の声に、我に返ってカレーを流し込むように食べ終えたのだけれど


………カツが…


口の中で、未だに残るトンカツの味


『俺もカツカレーにしたら良かった』


そう言いながら、日替わり定食を口にしていた水月先輩


………先輩、呆れてへんかなぁ…


今頃になって、ガッツリメニューを注文したことを後悔していた


普通、男の人って女の子は少食やと思ってるよな…


レストランでドリアやランチプレートを頼み、3分の2ぐらい食べたところで


『もうお腹いっぱい』


と可愛くかしこまる姿を想像してみる


………無理!


腹八分目にしようとして、今まで出来た例(ためし)がない

ダイエット出来ない理由が今更ながらに分かった


ん?


スカートのポケットの中で、短い振動音がする

先生に気付かれないようこっそりとポケットから出して、机の中に滑り込ませた