くもりぞら【仮】




帰り道は手をつなぐ。

「紅音、なんか元気なくない?」

「んー、さっき
担任に説教された」

「説教?」


元気ないというか
イライラを出さないようにしているだけ。




「うん、
凉くんとくっついてんなって」


「俺?
まーあいつの言うことなんか気にすんな」


「…うん」


……本当は
これを聞いて少し
学校では離れようって
思ってほしかったんだけど


無意味だったか。




繋がれた手から伝わるぬくもりは
勉強に疲れたあたしを癒してくれる。

女子達からの
息苦しい視線による不快を
忘れさせてくれる。


あたしはひどく、
わがままだ。