「あ、ごめんなさい。びっくりさせてしまって………」
「あ………いや」
「……もしかして、昨日私の帽子を拾って下さった方?」
「…………」
「そうよね!会えて良かった。昨日はお礼を言う前に帰ってしまったから……」
「別に……」
「しっかりと顔を会わせて、ありがとうと言いたかったの。」
ふふっ………と、彼女が笑う
「私、楠原苗木(クスハラ ナエギ)貴方は?」
「…………赤松隼人」
この時、俺はどうして自分の名前を名乗ったのか分からなかった
ただ会いたいと思っただけで、関わりたいなんて思ってなかったんだ
きっと、
「隼人…………ふふっ、良い名前ね」
それでも、この人の微笑む顔はとても好きだ


