初恋は幼なじみ

「…舞」


ぽつりとその名前を呼ぶ。


「ん、なぁに?慶」


優しい声で優しい顔で俺に返事をする。


「…さっき、傘振り落としたりしてごめん。あと、龍と話してる時もブスとか言ったりして…」


「…」


舞は何も言わない。


「…舞。」


再度名前を呼んだ。

あぁ、やっぱり怒ってるのかな


「ふふっふふふ…やだ、へんなの慶ったら」


大きな瞳を細めて笑っている舞。


「本気で怒ってるわけないじゃん。そんなの気にしてたの?」


きょとんとした

いや、俺はずーーっと悩んで悩み抜いてた。


それなのに舞のやつ、そんなのって。


「舞が、他の男と仲良くしてたから」


「え?」


「他のやつに、微笑んでたから。」


仲良くするのは俺だけでいい。


優しく微笑むのも俺だけでいい。


舞が可愛いって噂されてても

どんなに沢山の人に言われても

俺が近くで1番見てきてたんだから

俺が1番舞の可愛さを知ってるんだよ。


「俺だけがお前のこと可愛いって思っとけばそれでいいんだよ。」


熱で頭いかれてんじゃないの、俺。

何恥ずかしいこと言ってんだよ。


視線を舞に向けると

舞の顔はタコといい勝負できるくらい、赤く染まっていた。