「じゃあね!美月!」


「うん。またね。」


はぁ。私、吾妻 美月(アズマ ミツキ)は溜め息をつく。

学校はどうも苦手だ。

自分を偽らなければいけない。本当に疲れる。


私はあまり社交的ではなく、小学生の頃は友達なんて一人もいなかった。

いつも教室の隅で本を読んでいた記憶がある。


中学にあがると、いじめにあった。

苦しくて、泣きたくて、助けを求めたくても頼る人などいない私にはどうすることもできない。
ただただ、はやく学校が終わることだけを考え、抜け殻のような日々を過ごした。


高校では、いじめにあわないように自分を偽った。

毎日、家に帰るとどっと疲れが襲ってきた。

それもそうだろう。

だって、基本的に無口な私がばかみたいに笑顔をふりまいて、まわりの空気に合わせているのだから。


その代わり、いつも一緒にいる友達ができた。さっき挨拶してきた少女で相馬 飛鳥(ソウマ アスカ)と言う。

彼女は美少女で、明るく、友達も多い。

私とは正反対だ。

彼女はいわゆる、偽りの友達ということだろう。