東堂くんは喋らない。






そんな山本とモテない同士の醜い争いを繰り広げているうちにバーベキューは終了していた。




「おまえらホント仲良いよなぁ」


「イチャついてんじゃねーよっ!コノヤロ」




そしてなぜか他の男子たちからそんなことを言われる始末…




「イチャついてないっ!」
「イチャついてねぇっ!」



ハモってしまったことにより、ますますからかう声があがる。




私と山本は睨みあうと、フンッとそれぞれそっぽを向いて片付けに向かった。




結局最後の方はほとんど肉も食べてないし…これもそれもどれも山本のせいだ!




「柑奈!鉄板洗うスポンジどこ!?」


「何で怒り口調なわけ。その辺にあるでしょーが」




その辺ってどこよ、とキョロキョロスポンジを探していると、何人かの女子とゴミをまとめている東堂くんの姿が目に入った。




東堂くんに何か笑顔で話しかける女子。


東堂くんも、それに対し柔らかい表情で何か答えてるみたい。




…ちょっと前なら到底考えられないような光景。





よかった。確実に、少しずつクラスになじんでる、東堂くん。




安堵しているのは本当。




でも、ちょっとさびしい気持ちになるのは…



きっと、娘を送り出すお父さん的な?

ずっと育ててきたサナギが蝶になって飛び立つ時的な?




うん!きっとそんな感じ…だよね!