東堂くんは喋らない。






それから数分たつと、釣りを楽しんでいた男子たちも釣りを切り上げ鉄板のまわりに集まってきた。



山本はようやくトングを他の人の託すことができ、泣きそうになりながら肉を食べている。




「肉!うめー!」



…今はそっとしておこう。




東堂くんはというと、隅の方で静かに紙コップにいれたコーラを飲んでいた。




「東堂くーん!食べてる?」



お皿を持って東堂くんの隣に腰かけると、ビクッと東堂くんの肩が揺れた。



「ん、どうしたの?」


「……別に」



いつも通りローテンションの東堂くん。




「あんま好きじゃないかもだけどさ、せっかくだからお肉も食べなよ」



「…そこそこ食べてる」



「そう?」




デニムシャツに、ベージュのクロップドパンツを合わせている東堂くん。



ココアの散歩のときも私服姿が多い東堂くんだけど、いつもとは全然違う場所だからか、なんだか東堂くんもいつもと全然違って見える。




似合ってるなー、デニムシャツ…